生成AIは「文章」「画像」「音楽」「ファイル作成/OCR」「データ変換」「データ連携」など得意分野ごとに違うツールが登場しています。本稿では、無料で使える代表的ツールをジャンル別に整理し、「何が得意か」「無料での制約」「使える端末(PC / スマホ)」を分かりやすくまとめました。
文章生成(ライティング・要約・質問応答)
おすすめ(無料プランあり):ChatGPT(OpenAI)、Claude(Anthropic)、Perplexity、各種ローカルLlama系フロントエンド。
- 用途:ブログ記事作成、要約、メール文面、コード生成、対話型リサーチ。
- 無料での制約:無料プランは「API呼び出し回数/1日の利用回数」「先進モデルへのアクセス制限」「レスポンス速度や同時接続数の制限」が一般的です。プロンプト長や出力トークン数にも上限がある場合があります(サービス毎に差あり)。
- 端末:Webブラウザ経由ならPC・スマホ両方。専用アプリがある場合はさらに快適。
画像生成(静止画・イラスト・写真風)
おすすめ(無料/フリーティア):Stable Diffusion(Webフロントエンド多数)、OpenAI DALL·E系、Midjourney(トライアルあり)、Recraft(無料クレジットあり)など。
- 用途:ビジュアル素材作成、アイキャッチ、キャラクターデザイン、簡易バナーやモックアップ作成。
- 無料での制約:無料クレジットが日次で付与されるものや、生成回数・出力解像度が制限されるケースが多いです。商用利用やライセンス条件はサービスによって異なるため要確認。Recraftなどは無料で日次クレジットを提供する例がありますが、高度なモデルや編集機能は有料化されていることが多いです。
- 端末:ほとんどがブラウザベースでPC・スマホ両対応。Stable Diffusion系はローカルインストール(PC)での自由度が高い。
音楽生成(BGM・ジングル・ループ)
おすすめ(無料プランあり):AIVA(ブラウザで作曲)、Soundraw / Mubert 等(フリープランや試用あり)。
- 用途:動画用BGM、ポッドキャスト用ループ、手軽な作曲の草案作り。
- 無料での制約:トラックのダウンロード回数や商用利用条件、音源品質(長さやステム分離の有無)に制限がある場合があります。無料で生成できても、配布や販売で追加ライセンスが必要な場合あり。
- 端末:主にブラウザ(PC・スマホとも利用可)。一部ツールはDAWプラグインやデスクトップアプリがある場合も。
ファイル作成/OCR・PDF編集
おすすめ(無料で使える):Adobe Acrobat Online OCR(無料版あり)、OCR.space、PDF24、Smallpdf(フリープラン)など。
- 用途:紙文書やスキャンPDFをテキスト化、検索可能PDFへ変換、簡易編集や結合・分割。
- 無料での制約:ファイル数やファイルサイズ、1日のタスク回数に制限があるものが多いです。機密文書の取扱い(アップロード先の保存ポリシー)を確認することが重要。
- 端末:ブラウザでPC・スマホ共に使用可。Windows向けの無料デスクトップツール(PDF24等)はPC限定の機能を持ちます。
データ変換(CSV/Excel/JSON変換・形式変換)
おすすめ(フリープラン有り):CloudConvert(無料枠あり)、各種オンラインコンバータ、Pythonのローカル処理(無料)など。
- 用途:PDF→CSV、画像→テキスト、JSON⇄CSV、音声→文字起こしなど。
- 無料での制約:変換回数・ファイルサイズ・同時処理制限。大量処理は有料プランが現実的。
- 端末:ブラウザ(PC/スマホ)。ローカルスクリプト(Python等)はPC推奨。
データ連携・自動化(ワークフロー)
おすすめ(無料プランあり):IFTTT、Make(旧Integromat・無料枠あり)、Integrately、Activepieces 等のZapier代替。これらは多数のアプリ/APIを繋げて自動ワークフローを作れます。
- 用途:フォーム送信→スプレッドシート登録→Slack通知、生成AIの出力を自動で保存/加工する等。
- 無料での制約:実行回数(タスク数)、接続できるアプリ数、同時実行フロー数などに制限があります。高度なコネクタやカスタムAPI利用は有料プランのことが多いです。
- 端末:主にブラウザでPC/スマホ両対応。管理はPCの方が楽。
導入時のチェックリスト
- 無料プランでの「出力上限」「商用利用可否」「保存ポリシー」を確認する。
- 個人情報や機密データはアップロードしない、あるいはエンタープライズ向けの安全性を確認する。
- ワークフロー化する場合は、無料枠の実行回数が想定に足るか事前に試す。
- 生成物の著作権・ライセンス(商用利用含む)をツール毎に確認する。
まとめ
用途別に最適な「無料で使える」生成AIは複数あり、目的(文章・画像・音楽・ファイル処理・自動化)に合わせて選ぶのが近道です。無料プランは試用や軽作業には非常に便利ですが、「容量」「生成回数」「商用ライセンス」「データ保持方針」などの制約を必ず確認してください。
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